「パターの距離感は経験とセンス」だと思っていませんか?
練習グリーンで感触が良くても、コースに出ると毎回「あれれ?」と距離が合わなくなり、3パットを繰り返してしまう。そんな悩みを抱えるゴルファーは非常に多いはずです。
しかし、パターの距離感は**「経験」や「強さ」**ではなく、ある**たった一つの要素**をコントロールすることで劇的に安定します。
今回は、パター専門コーチのレッスンから判明した、距離感の正体と、プロも実践する「再現性」を高める驚きの方法を解説します。この秘密を知れば、あなたのパッティングは劇的に安定し、自信を持ってピンを狙えるようになります!
1. テンポ練習で浮き彫りになる「パンチ」の正体
前回の記事(パターの距離感の正体は経験ではない!?)で、距離感の鍵が**「時間(テンポ)」**にあることを解説しました。しかし、実際にメトロノーム(90BPM)に合わせてみても、ストローク中に**「パンチ」**が入ってしまうゴルファーは多く見られます。
「富士山型」加速度グラフの危険性
測定データでは、パンチが入ることで、インパクト直前で急激に加速し、フォロースルーが長くなる**「富士山のような角張った」**加速度グラフが出現します。これは、以下の悪い癖が原因です。
- **バックスイングがゆっくり**、または小さすぎる。
- **自分の手の力**でボールを打とうと、インパクト直前で無理に加速させてしまう。
パンチは「距離感」と「方向性」の両方を狂わせる
このパンチが入る癖は、単に距離をオーバーさせるだけでなく、フェースが開く「振り遅れ」を引き起こし、【パターの真実】上手い人はここが違う!究極のフェースコントロール術で解説した方向性の安定も同時に失ってしまいます。
2. テンポを安定させるテイクバックの「意外なコツ」
パンチが入る癖を直すためには、インパクトではなく、**テイクバック(バックスイング)の意識**を変えることが最も重要です。
テイクバックは「意外に速く」上げる
プロコーチが指導したのは、**「パターの重さに任せて、すっと上げるイメージ」**です。自分の手の力でコントロールしようとゆっくり上げるのではなく、**ヘッドの重さ**を感じながら、テイクバックの早い段階で加速を完了させるイメージです。
これにより、バックスイングの時間が**0.65秒**という理想的なテンポに近づき、トップまでに勢いがつくため、後は重力とヘッドの重さだけで自然にインパクトまで「落とす」感覚が生まれます。
「重さ」に集中すればストロークが滑らかになる
この意識でストロークの**「角張り」**が消え、滑らかなストロークが実現します。リズムに集中することで、ストローク自体が勝手に良くなるという効果も証明されました。これは、【パターが変わる!】正しいストロークの秘密と4つの基本要素で解説した、パターの正しい「イン・トゥ・イン」の軌道を自然に作る効果もあります。
3. 練習ドリルのヒント:「100円玉を落とす」イメージ
90BPMのテンポを体感する方法は、メトロノームを使うだけではありません。**日常にあるリズム**や**具体的なイメージ**で体に染み込ませましょう。
テイクバックの意識:「100円玉を落とす」
パンチの角張りを無くし、滑らかさを出すための具体的なイメージドリルとして、**「テイクバックのトップで100円玉を落とす」**ような感覚が推奨されています。
これは、バックスイングを完了したらすぐに力を抜いて、パターを重さに任せて落とす意識を持つためのドリルです。この意識でストロークの「角張り」が消え、滑らかなストロークが生まれます。
歌やBPMでテンポを染み込ませる
90BPMに近い曲や歌を見つけ、そのリズムに合わせて素振りをするだけでも効果があります。普段から耳にするリズムをパッティングに取り入れることで、意識せずに再現性の高いテンポを体に染み込ませることが可能です。
4. まとめ:テンポと重さを掴んでスコアを安定させる
パッティングの距離感と方向性を安定させる鍵は、すべて**「90BPMのテンポ」**に集約されます。
ストロークの再現性が低いと、高速グリーンや重いグリーンなど、グリーンスピードが変わるたびに感覚をイチから合わせ直す必要が出てきます。
まずは以下の2点を徹底し、**自分のベースとなるテンポ**を作りましょう。
- **テイクバックはパターの重さに任せて「すっと」上げる**。
- **90BPM**を意識し、**「0.65:0.35」**のリズムを崩さない。
テンポを安定させれば、あとは振り幅を変えるだけで距離感が整います。ぜひ、次の練習からこのドリルを取り入れてみてください!